2002年９月23日（祝）マチネ ２階2A列16番
＜キャスト＞
オペラ座の怪人：村 俊英 クリスティーヌ・ダーエ： 沼尾 みゆき
ラウル・シャニー子爵：鈴木 涼太 カルロッタ・ジュディチェルリ：種子島 美樹
メグ・ジリー：石倉康子 マダム・ジリー：西島 美子
ムッシュー・アンドレ：林 和男 ムッシュー・フィルマン：青木 朗
ウバルド・ピアンジ：半場 俊一郎 ムッシュー・レイエ： 松下 武史
ムッシュー・ルフェーブル：深見 正博 ジョセフ・ブケー：澤 一孝
一ヶ月ぶりに、やってきました京都劇場。
千秋楽も決定し、最低でも月１回は会いに来るぞとかなーり、悲壮な覚悟を決めております。
中にはほぼ毎週、というブラヴァ！な方もいるようですが。…で、３連休最終日の京都駅。
リニューアル５周年ということでイベントがいろいろありまして、この日はPUFFYのコンサート。
おかげでただでさえ時間が押していたのに、道はいきなり通行止めになるわ、人でごった返すわ、
ダッシュで劇場に駆け込む羽目になりました…PUFFY許すまじ。（おいおい；）
２階席はかーなーり、階段を上ります。みなさま余裕をもって行きましょう☆
席に着いたときには息も絶え絶え（…なさけない）の滑り込み。
しかも、この２階席かなり傾斜がきつい上にコンパクトすぎちゃいまして、
席に人が座っていると、前を通していただく際の苦労は並大抵じゃありません。
最前列中央のくせに最後にやってきてごめんなさい、ってなカンジです。席に着いてものの数分で舞台はオークション会場へ。
「落札っ！」今日のオークショナーさんはちょっと早口。
今日は、３回目にしてとうとう村ファントムにお会いできることに。
しかもラウルは鈴木さん、クリスは沼尾さんと初見の方ばかりで、かなり浮かれモードです。オーヴァチュアでは、やはり涙ぐんでしまいます。
しかし、思ったより音が響かない…あれ？
上の分、音がもっと広がってぶわぁぁっ！と来ると思ってたんですがね。
ちょっと拍子抜けっつーか物足りないカンジ。もっとビシビシ響かせてほしかったなぁ。
そして、ハンニバルでは種子島カルロッタがやってくれました。
「 ロォォォォォォォォォォォォォォォマッ！！！」
頭の中で反響する美しいベル・カント。
ムチをふりまわす男への流し目も手の演技も初めてばっちりチェック。
彼はやっぱりピアンジに代わる新しい恋人なのかっ？
２階という上からの視点でなにがいいって、１階からだと他の役者さんの
影になってみえない部分が良く見えるということ。
舞台全体を把握できてしまうんですね。
でも、役者さんの表情見たさにオペラグラスでばっかり見てしまう（笑；）沼尾クリス、歌のときには美しい澄んだ高音なのに、セリフは怒っているようで
こわいのはなぜ？（笑；）つっけんどんと言おうか、気が強そうと言おうか…
「線の細い」という言葉はまず飲みこんでしまいました(^^)；鈴木ラウル、張りのある響きの美しい高音が好印象です。
クールでいかにもおフランスのお貴族サマな石丸ラウル。
ちとブリティッシュっぽい、育ちのいい坊ちゃんな柳瀬ラウル。いちばん年若い鈴木ラウルは「健全・安全・好青年、時折若さゆえにちとやんちゃ」な
ラウルってとこでしょうか？包容力がつくのはこれから、ってカンジ。
しかし、「健全・安全・好青年」ってもとネタわかるひといるんかいな？そして、とうとう登場の村ファントム！
第１声を聞いた瞬間「ををっ、CDの今井さんかっ？」（爆；） …違うって。
張りと艶のあるお声が朗々と響きわたります。
一瞬で落とされましたとも。喜びや苦しみ、悲しみを隠そうとしても隠し切れない。
こぼれ落ちほとばしる「想い」を偶然見た者を惹きつけてやまない。
風に呼ばれて、はらはらと散る薄紅の桜の花。
その声は桜を招く風でもあり、風に呼ばれる花のようでもあり。
そんな、危うさを垣間見せるのが高井ファントムの魅力なら。漆黒のビロードの中にすべてを包み込み隠し、
甘い芳香を漂わせて虫を惹きつける深紅の薔薇のような声。
自分の「声」が人々を魅せ、惑わし、堕とす。
それを知り尽くした上で招き寄せる「声」。
それが村さんの声･･･かな。
どちらにも言えそうかもしれないけど（笑）
お香にたとえるなら、高井さんは白檀で彼は沈香でしょうね。
…って、そんなたとえじゃさらにわかる人がいなくなる（笑；）「THE MUSIC OF THE NIGHT」うっとり聞きほれましたとも。
そして、２階席ならではの醍醐味！プロセニアムの上のファントム。
マントをひらめかせるあのしぐさに悩殺されっぱなしです。
１幕が終わった瞬間、感涙にむせびつつ、
「村さんお持ち帰りしたーい！」と叫んだバカはワタクシですとも。しかし、いいことばかりではなかった２階席。
上から見るマスカレードの、なんとスカスカなことか（爆；）
どれがナマモノ（笑；）でどれがマネキンかすぐわかってしまう…これは哀しい。でも、ファントムがどこから登場しているのか、奈落の位置はどこなのか〜などが
わかるのは楽しいですね。しかし、村田クリスしか見てないこの身には、
沼尾クリスがイタイ…なんでそんなにケンカ腰なの？支配人室で楽譜を投げつけるシーンも力強く（笑；）
「いやっ！」と叫んで出ていくシーンなんて、絶叫してましたもんね(^^)；
…ねぇエリック、悪いこと言わないからおやめなさいな、と言いたくなることしきり。しかも、前々から他の方の観劇レポで言われていた「生声」と「テープ」、ワタクシには
イマイチわからなかったんですが、今回は彼女のおかげでわかってしまった…（哀）
ファントムとのデュエットでもなんか音がバラバラする時があるんです。
言い方悪いけど自己主張が激しいカンジ。
「THE POINT OF NO RETURN」では、早くにファントムであることを見ぬき、
逃げようとするんですね。で、しっかと手を握ってるファントムともみ合い状態。
こんなに「いやだっつーの！」全開なクリスって…。キミならファントムもラウルもいらない、ひとりでもやっていけるよって言いたいカンジです。
ま、ラウルはくれてやる（うわー暴言^^；）からファントムはお寄こし、ってとこかと。
最後のキスシーンも、ここまでの経緯をみていくと、クリスにとってそのキスはなんなの？
と考えてしまったり…しかし、村さま、やってくれますねぇ。
高井ファントムは両手を開いたまま、ボーゼン☆というカンジでしたが、村ファントムは
思わず抱きしめようとして思いとどまるんです。両手の指をヒラヒラさせるのはちょーっと
止めて欲しい気もするケド(笑；）さっさと去っていく（怒）二人をぽつねんと見やりながら、ヴェールをいとおしそうに
抱え込むファントム…ひしひしと漂う哀愁。
ああ、「よしよし、泣くんじゃないのよ」と、抱きしめてあげたい…☆本日のキーワードは、やはり「お持ち帰り」でしょう（笑；）
床の間（あるのかそんなもん）に飾っておきたい…☆
…観劇の部屋へ