2003年1月17日（金）ソワレ １階Ｄ列７番
＜キャスト＞
オペラ座の怪人：村 俊英 クリスティーヌ・ダーエ：村田 恵理子
ラウル・シャニー子爵：鈴木 涼太 カルロッタ・ジュディチェルリ：種子島 美樹
メグ・ジリー：石倉 康子 マダム・ジリー：西島 美子
ムッシュー・アンドレ：林 和男 ムッシュー・フィルマン：青木 朗
ウバルド・ピアンジ：半場 俊一郎 ムッシュー・レイエ： 立岡 晃
ムッシュー・ルフェーブル：川地 啓友 ジョセフ・ブケー：須郷 裕介
Ｘデーの３日前、14日の朝。
起き抜けに喉にみょーな違和感を感じる。
「？」と思いつつ、あまり気にせず精密検査（健康診断で心臓があやしいと言われてな^^；）を受けに病院へ。
行ったのがまずかったか？逆にウィルス拾ってきたか？15日：風邪を自覚。夜に熱は38度〜喉は痛いわ鼻はつまって息苦しいわ☆
16日：１日ベッドから出ることかなわず熱は39.5度。
さらに衝撃の事実を聞いて、思わずベッドの中で貝になりかける（笑；）
そして、運命の17日。
関西人にとって１月17日という日は特別な日です。
毎年５時46分には起きておりましたが、体調不良で今回初めて起きれず、ちょっと悔しかったです。
そんな中、気力でやってまいりました京都。本日は高井さんファンの方々とお会いしておしゃべりしてみたい、ということで幹事・その１の
ワタクシがお声がけをし、観劇前にちょっとした集まりを企画しておりました。
覚悟を決めまして今夜はもうひとりの幹事とホテルも取り、体調以外（笑；）の準備は
万端となっておりまする☆17時ころからみなさまと劇場近くのカフェに集まり、観劇歴や舞台への思いなどをいろいろと
語っていただきました･･･いやぁ、１時間なんてあっとゆーまです。
･･･で。
･･･まったく平気といえばウソになりますよね。
やはり突然のキャスト変更というものは、心をざわつかせるものです。実際には何もなくとも、退いた高井さん、代わって舞台に立たれる村さん、
それぞれの思いを慮ってしまうのは否めません・・・第三者の余計な見解といえばそれまでですが。でも･･･実際のところはどうなんだろう？
私自身は切り替えの早いほうなもので（笑；）
12月の交替から比較的早くに、また村さんを拝めるのね〜ってなくらいではありました。
（そんなワタシはホントに高井さんファンなのか、思わず胸に手をあてる今日この頃・・・）やはり日にちが日にちゆえ、期待して劇場にいらした人がいるのも事実。
（ま、それでお茶会が企画できたんだろーが、ってなとこですが^^；）
そんな観客の無言の期待と圧力（？）にどう応えてくださるのか？
･･･かーなーり、意地が悪いですけど、そんな思いもあったのは事実。
舞台はオペラ座に積もった、記憶の底の澱をさらうように緩やかにはじまりました。
川地オークショナーの閉めの語り、今日はぴたっとはまっていてとても美しかったです。
次にくるものがなにかわかっているのに、ぞくぞくさせられて･･･Overtureへ。種子島カルロッタ、幾分調子を取り戻されているようですね。
今日のアンサンブルの方たち、なんか綺麗どころが多いわぁ（おいおい；）
そして、今回楽しみにしてた平野万里さんが登場！
おお、まーるいお針子さん・・・他人に思えない☆（ごめんなさいー；）
たとえ脇とはいえ、キャストが代わるとこうも変わるか･･･楽しい。村田クリス、９日に拝見した時より少し全体に小さくなってしまったかしら？
今まで揺るぎなかった「安定」に少し影が差したものの、その分儚げなイメージは
９日より強かったと思います。そして･･･村さんの登場。
甘くて少し若々しいファントム。
クリスの成功に自分自身も少し酔っているような、あまやかな「ブラヴァ♪」です。「ミラー」では、少し俯き気味で登場。
ああ、口元だけの表情なのに、なんでこんなに雄弁なのでしょう。
もう、今日はファントム以外の方々まで見てる余裕があまりありません。The phantom of the opera。
ボートから降り、クリスを下手に残したまま動く第一歩。
ぴょん☆と脚が上がったのは何故？
「あ・・・猫はいっちゃった？」違うって（笑；）
あああ
Music of the night。時折声がざらっとするものの、綺麗に･･･ホントに綺麗に声が伸びていきます。
この身は地底にあろうとも、心は空のはるかな高みへ。
「ふたりは歌うのだ･･･夜の調べの中に･･･」
最後に見せる村ファントムのせつなげな表情。「ふたりは歌うのだ」と
言いきってはいるけれど、それはファントムのせつない「願い」なんですよね。須郷さんのブケー。この方をはじめて拝見いたしました･･･が。
むぅ･･･エンターティナー度はあがっている（笑；）ものの･･･なんなんだろう。
澤さんや宮本さんのブケーにつきまとっていた「哀しみ」みたいなのはなかったな。久しぶりに不協和音を感じず見られた「プリマドンナ」。
でも年末からこっち感じる「浮き足だったもの」は依然消えてない気がします。
千秋楽が近くなってきて、消せないものとなっているのか。天使像の上。
お姿を拝見することはかないませんでしたが、心の底からしぼられるような「嘆き」。
哀しいくらいに透明なファントムでした。
だから、シャンデリアが落ちてくるときもなんか怖くなかったカンジでした。幕間はカシスオレンジで乾杯☆炭酸が喉にキツそうだったのでな(^^)；
今日はあちこちに、もしかしたらお名前しってる（っつーてもＨＮですが）方が
いるんだろうな･･･と思いつつ休憩中の皆さんを観てるのも楽しいです☆
マスカレード。華やかだけど、今日はちょっとすーっと通りすぎてしまった。
蝶のカッコのおじょうさん。
胸元があぶないくらいセクシーだわぁ☆（そーゆーとこだけ観てるんかい）墓場にて。
今日の村さんはおや？っと思うくらい優しくて。
それがそのまま the point of noreturn の根底にも流れていた気がする。
高井さんの、乾きにあえぎ水を求める旅人のような激しさはないけれど、
手はクリスへと精一杯差し伸べられて。それだけに、ふたたび地下へ戻ってきたときの彼はとても痛ましくて。
途方にくれた子どもみたいな顔をしているときがありました。
クリスが「かなしみの涙いま…にくしみにかわる…」と歌ったあと。
村ファントムは一瞬呆然とした表情を浮かべます。
いままで庇護したきた彼女から発せられた明確な「嫌悪」のことば。「クリスティーヌ･･･おまえがそんなことを言うのか？」
自分の耳で聞いたことが信じられないように、一瞬彼女を見て。
村ファントムから発せられるのは
「こんなはずじゃない…」という声にならない叫び。
自分が言いたいのは、望んだのはこんなことではなかった…
「えらべ！」と言いつつもすでに絶望しきった、疲れた表情が胸を突きます。このあたりから、涙腺がゆるんでまいりまいした（笑；）
頭のかたすみで、こう…12月20日の１件が頭をもたげていたのも事実なんですが（爆；）
クリスからのキスのあと、よろよろとラウルに向かっていこうとするとき、
ふっとクリスを見やったまなざし。
もし、アレを自分が受けていたら･･･いや、その前にあんな表情をさせるもんか！
ってくらいに哀しい･･･演技とはとても思えない表情。しかし、今日の椅子抜け（笑；）はちと余韻がなくていただけなかった。
がっこん☆と音もすごかたっしね･･･ま、いっか。
今日の舞台を観終えて。
高井さんの存在を舞台に感じるときが、ところどころでありました。
なぜ、ところどころで「高井さん」を感じてしまったのか。
…ソレが自分でもよくわからないのです。
普通なら歌や演技、こまかな仕草の違いにそれを見出すのかもしれないけど、
そういうわけでもない。コレがわけわかんなくて、今回のレポは書き上げるのにイチバン時間かかりました(^^)；
なんかね、「オイシイ♪」と思って飲んだモノがワケのわかんないものだったような。
ファントムの甘い誘惑に抗えず、地下にやってきてから我に返っちゃったクリスみたいな（爆；）あえて言葉にするなら、身にまとっていた「空気」なのでしょうか？
あまりにもあいまいすぎて、私自身がそう見ていただけではないのか･･･そう思えてもくる。
（観劇後、「ロシアのマトリョーシカ人形のように、村さんの中に小さな高井さんがいた」と
表現された方もいたので、あながちワタシだけでもなかったのか…しかし、それは怖いぞ^^；）ファントムを演じる人間が２人しかいない以上、比べられたりするのは
当然のこととは思うのですが、私自身は比べて観ていたという意識はありませんでした。
とゆーか、比べて見たことないんですよね。
基本的にあたしゃどっちも好きですから（笑；）１月17日、というかなり特殊な日にちの中で、ファントムを演じられた村さん。
カーテンコールで薄く、ふわっと微笑まれたのがとても印象的でした。おそらく、今回の登場が、京都で見る村さんの最後となってしまうでしょう。
だから、せめて今月いっぱいはどうか･･･どうか、村さんで。
観劇の後、２次会（イタリアンレストラン）３次会（カラオケ）４次会（その隣のカラオケ^^；）
と渡り歩き、最後はホテルでファントムを、高井さんをアツーく語ってました。
いやはや、仕事なかったら完璧に徹夜してましたね。
最後のおじょうさんが帰っていったの４時よ（爆；）舞台の話から、高井さんへの愛、村さんへの思い。
夜が更けるにつれ･･･内容も密度も･･･どんどん濃くなり（笑；）
アダルトでアバンギャルドな会話でしたね（爆；）･･･さすがにここにも書けませんわあれは(^^)；おじょうさんをひとり、タクシー乗り場まで送りがてら駅へ出て。
ひとっこひとりいない、満月に照らされた静かな真夜中の京都駅。
どこかで散歩してるファントムとばったり出遭えるんじゃないか･･･逢いたいぞ（笑；）
と、いうくらい素敵でした。３時間半睡眠のあと、ふらふらの身体を引きずって特急に乗りこみ、昼には無事出勤。
いやはや、体力的にはキツイけど、ホント楽しかったです。
みなさま、ありがとうございました☆
…観劇の部屋へ