2003年6月1日（日）
『美女と野獣』初日マチネ２階２Ｈ列22番
＜キャスト＞
ビースト 柳瀬大輔 ベル 木村花代
モリース 松下武史 ガストン 早川正
ルミエール 青山 明 ルフウ 明戸信吾
コッグスワース 吉谷昭雄 ミセス・ポット 早水小夜子
タンス夫人 秋山知子 バベット 石倉康子
ムッシュー・ダルク 寺田真実 チップ 岸本美香＜男性アンサンブル＞
孔 大愚 中村 匠 大谷 健 竹原大作 塚下兼吾
張 文瀟 長清 智 岡本繁治 末谷 満＜女性アンサンブル＞
林 浩代 安食智紀 中島さやか 高須麻友美 野村仁美
青木真由子 荒井香織 遠藤瑠美子 曲木佐和子 西田玲美奈
＜美女と野獣、はなはだカンタンすぎるストーリー紹介（笑）＞
森の奥深くに佇む古城。
ある日ひとりのみすぼらしい老婆が一夜の宿を乞います。
城の主である若い王子はその姿を忌み、すげなく老婆を追い払おうとします。
１輪の薔薇を差し出し見かけだけでどうか判断してくれるなと頼む老婆をすげなく扱う王子。
その瞬間、老婆は美しい女性に姿を変えます。
正体をあらわした魔法使いは王子に怒り、王子と城に魔法をかけてしまうのです。
美しかった王子の姿は醜い野獣に。召使たちは家具や生活用品に姿を変えられてしまいます。
さらに魔女が残していったのは１輪の薔薇。
最後の花びらが散ってしまうまでに野獣の王子が心から誰かを愛し、相手も愛してくれなければ
この魔法は永遠に･･･解けないまま。
「誰がこのような姿の野獣を愛してくれるというのか･･･」
深い深い絶望を抱えた野獣の元へ、ある日一人の娘がやってきます。
野獣の怒りをかって城に捕われてしまった父親の身代わりとなるために･･･
･･･いわゆる、異形婚ってヤツですよね。
人間でないものと人間の婚姻を扱ったお話。
ギリシア神話の「エロスとプシケ」に端を発するらしいです。
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さてさて、初ＢＢでございます。
お友達のおかげで、初日を観劇するという幸運に恵まれました･･･感謝☆
約２ヶ月ほど前に、ＴＶでディズニーのアニメが放映されまして、
予習に、と見ました･･･これも初めてでして（笑;）
あまりにも地下室在住の誰かさんとかぶっちゃって、別のイミで号泣したのを覚えてます(恥）
「これは、しあわせな『オペラ座の怪人』なのよ」と言った親愛なるおねーさまの言葉が
ちと身にしみてイタかった。
これをヒトが演じるとどうなるのか。
ひたすら楽しみにやってきた久方ぶりの京都劇場。
床の赤絨毯に見たてたシートも装飾が豪華になってます。
劇場入り口までのアプローチの壁まで！
オペラ座よりもゴージャスになってませんか〜？
アーチが出来ているのに思わず歓声をあげたものの…撮って来るの忘れたです（爆）
なんのためにデジカメ持ってったんだワタシはっ(>_<)；
劇場の中も赤を基調にした垂れ幕がステキです…『オペラ座』のときにこれでも良かったじゃーん☆
あ、しっかりポスター見てまいりましたよ（笑）やはり大きい分、衝撃（笑撃？）もデカイですわ（爆）
初日の観劇と言うのはこれまた初めてなんですが、華やかですね。
ＴＶで拝見するような著名人の方々や、舞妓さん。四季の関係者もかなりいたように思います。
四季の役者さんなんかもいらっしゃるのかな？と思いましたが、四季歴短い自分では到底見分けるなんざムリです。
そうそう、初めて「御大」某ゲージツ総監督もお見かけしました。
ワタクシどもの席は最後列だったのですが、さらにその後ろの通路中央に座って舞台チェックされてました。
ここでヤツをやれば四季の歴史が変わるのだな･･･と（爆）暴言失礼。
今回初めて座ったＣ席。
良かったです〜☆Ｃ席で通ってもいいかも♪（ォィ）
しょっぱなの王子が魔女と出会うシーンから釘付けです。
アニメではステンドグラス風のイラストでこのくだりを紹介しているんですが、
老婆がいきなり魔女に変身したあげく、あーなるとは（やっぱネタバレになりそうなんで･･･^^；）
びっくりです。ディズニーの魔法使いって、やっぱイメージはみんな同じなのかな？
昔、絵本で見たディズニーの『スリーピングビューティー』とちょっと似てたような。
お初にお目にかかかる木村花代嬢のベル。
キャッツや夢醒めに出てると聞いてたので木村嬢にはちょっとおきゃんなイメージを持っていたのですが、
しっとりとしたベルを演じてらっしゃいました。
セリフまわしが硬目に聞こえたのは、やはり初日ゆえでしょうか？
町のシーン。ガストンが登場してベルにからみますよね。
アニメでは本を邪険に落とすガストンに殺意すら覚えましたが（本好きの前でそんなことをしたらコワイよ〜？）
なかったので、ちょっとホッとしてしまった（笑）
ガストンって、いわゆるステレオタイプの「従来の王子さま」なのかな。
こう、カッコよくて力にあふれて、「おじょーちゃん、黙って俺サマについてきな？」ってヤツ。
ははははっ、塩まきますわアタクシの場合。黙ってられないし〜（爆）
アホすぎて憎めないけど、なまじな悪知恵はちゃんと持ってるのよな。
典型的な「アメリカ的ヒーロー」にも見えちゃったり。
『ハムレット』でお会いした早川さん･･･こっちのほうがなんか似合ってると思ったわぁ（笑）
そんなガストンの一声で動いちゃうルフゥと町の人たち。
後になるに連れて、自分の頭で「考える」ってことを知らない･･･そんなイメージが強くなっていきました。
だから、書物を通じて世界を知り、ものを考えていくベルが異質のものになってしまう。
（実際には本だけで「知ったつもり」になるのってすんごい危険なんですけどね。
その危うさ、ベルの頑固さとかにあらわれてると思いません？）
町の建物やベルの家がパタパタと飛び出す絵本のように登場していくのがまた楽しいです。
ディズニーのアニメの世界がきっちり再現されているのもスゴイことですが、そこから１歩も
２歩も前に飛び出したものを作り上げている四季のすごさには素直に脱帽です。
ファントム楽以来の柳瀬さん演じるビースト。
ささくれだった心を持つ野獣から、少しづつ姿をあらわす少年のような素顔。
イメージしていたビーストより精神年齢がちょっと幼ないカンジ。
もちっと「絶望」に心の中まで獣じみはじめているビーストでもよかったかな･･･などと思ったり。
すごくですね･･･ビーストに「かわいらしさ」を感じてしまったのですよ（笑）
ベルに図書室を見せて、彼女が喜んでいるのを見たときの彼の尻尾！
ほとんど「ご主人さま〜（はぁと）」な状態（爆）
暴言をお許しいただければ、美しいご主人サマとしつけに難ありの大型犬（きゃーごめんなさい；）
王子さまに戻った後も、確実にベルのお尻にひかれていそうな気がいたします･･･
（あああ、夢あふれるファンタジーなのにこんな言い方してていいのか自分）
でも、こう、凄みをみせるしゃべり方に思わず「柳瀬さんがファントムやったらこんなカンジ？」
などと、バカなコトも考えたりして。
そう、この身はどうしても『オペラ座』へと脳内変換をしてしまうことしきりなのでありました･･･
…だって、かぶるセリフ多いんだもーん☆
「その時になったら…」（思わずツッコミいれたよ･･･）
「もう１度だけ最後のチャンスを…」
そんなセリフが出るたび、反応しまくりでしたわ(>▽<)〜；
そして、忘れちゃいけない、お城の住人たち。
伊達男な青山ルミエールさま･･･惚れました（爆）
なーんていいお声！絶妙な間の取り方にその仕草！
くぅぅぅっ、うちにもあんな燭台欲しいっ！（なんか違うぞおい）
執事のコッグスワースさんとの絶妙なかけあいもたまりません。
「ビーアワーゲスト」にはただただ圧倒されてましたわ。
アニメよりもスゴイ。
あれだけきゃわきゃわ騒いで、よくビースト気づかなかったわねと（笑）
しゅぽーん☆とあふれるシャンパンの泡をイメージした花火。
･･･ねぇ、あれがおっけーならファントムの火花ももっと景気よくやって頂戴よ（爆）
そして、「おかーさーん☆」と甘えたくなる早水ミセス・ポット。
ビーストとベルが踊るシーンで彼女が歌うテーマ曲（っていうのかな？）
優しくあまやかな歌声に、泣けてしまいました。
「いつの世も変わらぬは恋心･･･」
どんなひとでもどんなときでも、恋うる思いはとめられない。
外見がどれだけ違おうが、ヒトに変わってると後ろ指差されようが･･･ね。
（すみません、ここでも誰かさんがしっかりかぶってました^^A;）
ここでのベルのドレスが、ホントにステキですね。女性のハート･･･いくつになっても
心の中にある「乙女ゴコロ」をがっちりわし掴みですね☆
この美女ぶりを見たら、ビーストならずとも弱気になるってもんでしょう（笑）
早水グリザベラの「メモリー」聞きたかったな〜☆
無常に時間が進むとともに魔法も進み、どんどん人間から遠ざかっていく彼ら。
なかばとばっちりみたいなものなんですけど、
（でも、「御主人をそうお育てしてしまった･･･」とルミエールが言ってましたよね？
お目付け役みたいなものでもあったのかしら？王子サマがお城にひとりで住んでるってーのも
ちょっぴり不思議だったり）ご主人思いで、んでもって前向きな彼らがとても愛しかったです。
暴徒の歌から最後までは、急展開〜でハナシがすすんでいきます。
ガストンとビーストが取っ組み合うシーンで･･･なんかヘンでしたね？
間合い？それとも動きかな･･･ナニがヘンだったのかよくわかんないけど感じた（笑）
時折、マイクのハウリングもあったりしたんですが(^^A);
ビーストの部屋のバルコニーから屋根。この角度なのはどーして？と思ったら･･･あ、そうか。
ガストンが落ちるのに、舞台中央から落ちるわけにいかないもんね（爆）下手側から落ちていきました。
そして、ついにあの「変身」シーン。
おおっ、王子サマだわ☆
あのからくり･･･どうなってるのか、今後も見つづけて推理したいところですね（通うのか？）
あとはひたすら大団円。
カーテンコールもすごかったです。最後はスタンディング。
柳瀬さんをはじめ、キャストのみなさんも笑顔で手を振ってらっしゃいました。
シアワセ過ぎても、ヒトって涙が出るんですよねー。
華やかでコットンキャンディのように甘い世界。
そこかしこで夢のかけらがキラキラ光っているようで、シアワセな気分になって帰ってきました。
でもね･･･やっぱり見たら「彼」が･･･ファントムが恋しくなりました。
きらびやかな光に一瞬目がくらんじゃったけど･･･その分、自分の中にしまい込んでいる闇が
濃くなっちゃったみたいな･･･なんだかヘンなカンジです（苦笑）
…観劇の部屋へ