2003年9月10日(水)ソワレ1階B列24番
 

<キャスト>
 

オペラ座の怪人:高井 治          クリスティーヌ・ダーエ:沼尾 みゆき
ラウル・シャニー子爵:鈴木 涼太      カルロッタ・ジュディチェルリ:河合 和代 
メグ・ジリー:秋本みな子           マダム・ジリー:西島 美子
ムッシュー・アンドレ:林 和男        ムッシュー・フィルマン:青木 朗
ウバルド・ピアンジ:石井 健三       ムッシュー・レイエ: 嘉納 兼徳
ムッシュー・ルフェーブル:深見 正博   ジョセフ・ブケー:宮本 力 
 
 

・・・やってきました、約1ヶ月ぶりの福岡。
行きは飛行機帰りは夜行バスというなんとも変則的な行程でございます(笑)

明け方からものすごい雷雨で飛行機が飛んでくれるのか心配でしたが、
定刻どおりに到着。(早割の関係で遅い便だったことも幸いしたようです)
まる1ヶ月ぶりの博多は・・・蒸し暑い!
溶けるよ・・・ねぇ溶けちゃうよ、ってなくらい蒸し暑い。


さて、最前列センターよりやや上手寄りなお席。
京都にくらべて舞台は若干低目かしら?


「ハンニバル」。
立ち位置間違えてこっそり戻ろうとするメグとクリス。
ブケー(かな?)のはしごに隠れるように移動していきますよね。
メグがブケーと目配せして笑い合うのがなんかヨイ☆


前回見たのが去年の秋分の日だったからほぼ1年ぶりの沼尾クリス。
思えば、あのときは2階最前列でした・・・思ったよりもほっそり小柄なクリス。


なんといっても一番村田クリスが多いもんで、彼女がデフォルト状態になってるのも
いけないんでしょうが、セリフはいくぶん低め。

think of me はまだ慣らし運転といった感もありましたが、高音は華やかでキレイです。


秋本メグは、動きや表情がやっぱり豊かですね。
お隣に座っていた方と帰りにお話すする機会があったんですが
「クリスよりもメグのほうに目線が行ってしまって・・・」と終幕時におっしゃられてまして・・・
それも仕方ないかと。


今日のメグの髪は、ずいぶん長かったような・・・カールの巻きが足りなかったのかな?
豊かにこぼれるブロンドがキレイでついつい目が行ってしまってました。


「The phantom of the opera 」
やっと、ボートシーンが観られました(泣)
個人的にはスモークをもすこし景気よく出してほしい・・・最前列でもそんなに寒くないし
わーっとスモークが降りてこないのはちょっとさみしい。




クリスを導く今日のAngel of music は、感情も控えめに少々計算高そうな天使さまでした。
「The music of the night」も、京都の最後のほうで見せてくれた「嬉しくって嬉しくって
どうしましょっ☆」から幾分落ちついちゃってたかな。
「心のおもむくまま・・・」にはちょいとヒヤリだったかも(^^A);
マントを端に置きすぎちゃったのか、とるときに身を乗り出して「よいしょっ☆」
ってカンジだったのがかわいかったです(どこ見てんだか・・・)


「支配人のオフィス」
青木フィルマンの新聞投げ。
下手袖口も幕でおおわれてるので、ぜーんぶそれにあたってぽてっ☆と
堕ちていくのが丸見えでちょっと苦笑い。


「プリマドンナ」では、石井ピアンジに釘付けでした。
カルロッタがラウルにくってかかった後、あわててラウルに向かってフォローしたり、
誰かの演技に必ず反応して細かな演技をなさるんです。
「きみはいいひと ウバルト・ピアンジ」は健在でした(爆)
「ドン・ファンの勝利」のお稽古でも、相変わらず気持ちよさそうに歌ってらして、
思わずこっちの頬までゆるみました(笑;)


「イル・ムート」のバレエで踊ってる男の方はどなたでせう?
ちょっとわからなかったんだけど・・・バレエ畑の方ではなかったような。


さて、この後はキャストごとに書いてみようと思います。


高井ファントム。


うねるようにひびく豊かな声に…思わずため息。
琥珀色の美酒は健在です・・・もぉ、自分をなだめるので必死でした(笑)

今日は特に声が艶々していたような…そういえばお顔も(爆)
ちょっとお顔の色っつかドーランが濃い目になってた気がしたんですけど
地下にいるのに日焼けですか(ォィ)・・・いまどき日焼けサロンは流行らな(殴)


アンマスクシーンや最後の叫び。
確かに、村ファントムに比べますとこれってとても叫びまくりなんだけど…今日は抑え目だったかな。
がぁがぁ☆とがなってる部分と冷静な部分がはっきりしすぎて、
アナタ、ホントにキレててわめいてるわけじゃないでしょ?って聞きたくなるファントムさまでしたね。
・・・まぁ、ミもフタもない壊れ方すればいいってもんでもないんですけど。


どちらかというと、グラフの針が大きく上下しない「そつのない」ファントムだったかもしれません。

 

鈴木ラウル。


自信たっぷりなのはよくわかる。
でも、品を失うギリギリなときがあるのがちょっといただけない。


「紳士のすべては貴族だが、貴族のすべてが紳士ではない」
同時代のイギリスで言われていた言葉を思い出しちゃった(^^);
微妙な形成ができつつあるのでしょうか…この変貌はワタシにはちょっとツライな。


なんかねー、若さゆえのアツさというだけにも見えなくて。
自分以外のものはすべて下に見てるでしょ?ってなカンジ。
恥をかかせたり怒らせたりしたらいつまでも根に持ちそうですね…
復讐の機会があったら…いや、無理やりにでも機会作って100倍にして返されそうだ(笑)


最後の首縄は、なんか動きがはげしくなってましたね。
一瞬、あれ、今日は締まりすぎちゃったの?って思ったくらい(実はそうだったり)
キスされたときの表情なんて…もぉ怖かった。
歯は剥きだしで「うきぃぃぃぃ☆」ってサルかアナタは(暴言失礼)


あの瞬間、縄から自由になっていたらファントム刺しに行ってたんじゃないかっていうような憤怒の形相。
クリス、後で大丈夫だったんでしょうか?
あのラウルだったら何かの折にちくりちくりとと蒸し返しそうだよ(爆)
 

沼尾クリス。


うーん、結局初見のイメージはくつがえせませんでしたね。
気の強いお嬢さんがむりやり弱ってみせる・・・というように感じる部分が多々ありました。
顔立ちからしてどちらかというと「きりっ」としちゃってるんですよね。
強い意志を感じてしまう眼と口元。
父親をなくしても「ウチ、負けへんわ☆」(なぜ関西弁)とたくましく生きてる
下町のおじゃうさんでしたわ、はい。(暴言失礼・その2)



素のクリスとして舞台に上がってるときより、
「イル・ムート」のセラフィーモや「ドン・ファンの勝利」のアミンタのときのほうが
魅力的に感じてしまうのはなぜなんでしょう?


特に「ドン・ファンの勝利」のアミンタ。
艶やかな眼差しといい、己の体に手を這わせるその手つきといい、
言い方悪いけど、あれ「無垢」な女性にゃできまい、って思っちゃいました。
太ももから胸のすぐ下まで蛇行しながら撫で上げてきて胸をそっとなぞり、すべるようにうなじへ。
頬をはさむようにした両手はそのままきゅっと頬を包んで。


うわぁぁぁ☆後ろにいて、その様をはっきり見なくて良かったわねエリック、ってなもんです。
「たわごと」に空白の半年間でクリスとラウルの仲は進展したのか?というまさにたわごとな
コト書いてますが、こりゃあ何かあったでしょ…って思わざるを得ない仕草。


最後のトライアングル。
きゃあ、クリスそんなにブーケを乱暴に放り投げないでぇ(泣)
ヴェールをはずすときも力強すぎちゃって、
くるくるっとかるく巻いたあとたたきつけるかと思ったわよ?


ちょっと今日の最後は…今までにない解釈しちゃいましたね。
クリスのキス…ワタクシには「ファントム」へのキスには見えませんでした。
「いま見せてあげる、わたしの心」
キスをとおして彼女が見せたのは、ファントムへの愛ではなく、ラウルへの愛だったんじゃなかろうか。


自分の身体を盾にした、まさに「攻撃は最大の防御」なキス。
あれ観たら、村田クリスの乱暴さなんて可愛いもんです(笑)
そんな風に感じてしまったせいか、キス攻撃(笑)を受けた後のファントムの表情に
純粋な「あきらめと絶望」を感じてしまいました。


もうね、どうでもいい。すべて終わったんだ…すべてがね。


あとはどうやって幕を下ろそうか…そんなことしか考えてないファントム。
「行け!」と叫んだ後、がっくりとひざを折るその様子はただただ・・・哀れで哀しかった。


帰ってきたクリスを見やるんですが、彼女を見ているようで見ていないような茫洋としたまなざし。
(高井さんの場合、この眼差しって演技に見えないのよね・・・爆)

このとき彼の眼に映っているのは、決別の表情を浮かべて立たずむクリスではなく、
自分をエンジェルと慕ってくれていた頃のクリスなのかもしれない。

過ぎ去ってしまったなにかにたいして追いすがるわけでなしにそっとつぶやいた「I love you」が
あまりにもきれいで…欲も未練もない、ホントに純粋な一言で泣けました。


誰がどの役をやっても一定の水準で見られる舞台を、と謳っている四季ですが、
やはり「組み合わせ」によって舞台がかなり変わるのは否めないな・・・と。
今回は特に、そう感じました。
もうね・・・「食べ合わせが悪い」みたいな。「梅干とうなぎ」とか「てんぷらとかき氷」とか(笑)


特にこの日は沼尾クリスと鈴木ラウルにそれぞれ違和感感じただだけに
この食べ合わせの悪さは少々きつうございました・・・


しかし、席自体はとんでもなくおいしかったです。
だってね、クリスはがいじめ(笑)のとき「わが愛は終わりぬ」のときも目の前に立ってくださるんだもの!
ど真中よりこっちのほうがいいと真剣思った(爆)


帰りに思わぬ方とお会いしたハプニングも重なり(思わず「うっそぉ☆」って叫んじゃったよ^^;)
後ろ髪引かれつつ、夜行バスに乗り込んだstellaでございました。
バスは・・・サービスいいし悪くはないんだけど・・・やはり寝られませなんだ(泣)
やっとこ寝られたのは明け方の3時間くらいかな?


でも、ワタクシの遠征はやっぱり最後まで気が抜けない(泣)
大阪からの帰りの電車が、また人身事故に足止めくらったのでありました。
まぁ、出勤に間に合ったからいいですけどね・・・ふっ☆

 
 
 
 
 
 
 

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